天国と地獄を味わった7月。相次ぐ離脱もピンチをチャンスに!【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#178】
7連勝と快進撃を見せていたが一変。首脳陣を筆頭にコロナで戦線離脱、さらに投打の柱の故障と、突如、チーム編成すら苦慮する状況になってしまった。しかし今こそ、出場している選手にとっては大きなチャンス。奮起してもらいたい。
2022/07/23
激動の1週間
ファイターズの7月は乱高下そのものだ。新庄ビッグボスが球団新人監督タイの7連勝(1966年の岩本義行さん以来、66年ぶり)を飾ったかと思ったら、その7連勝めの西武14回戦、エース上沢直之が骨折離脱。そこからコロナ禍でビッグボス以下、コーチ、選手、チームスタッフがゴソッと抜ける。1日だけ山田勝彦バッテリーコーチが代理監督を務めたが、山田さんにも陽性判定が出て、急きょ鎌ケ谷から木田優夫2軍監督が呼び寄せられ、「監督代行の代行」を務めている。その間、首位打者を快走していた松本剛の自打球骨折も出来(しゅったい)、また4番を張っていた野村佑希もコロナで戦線を離れることになった。
・コロナ戦線離脱一覧(7月22日午前10時の時点)
16日、加藤貴之(発熱)、
17日、島崎毅投手コーチ(無症状)、石川直也(無症状)、杉谷拳士(発熱)
18日、新庄ビッグボス(無症状)、林孝哉ヘッド(無症状)、武田勝投手コーチ(無症状)、金子誠野手総合兼打撃コーチ(無症状)、紺田敏正外野守備走塁コーチ(無症状)、谷内亮太(無症状)、ブライアン・ロドリゲス(無症状)、宇佐見真吾(無症状)、福田俊(無症状)スタッフ2名(無症状)
20日(19日PCR検査分)山田勝彦監督代行(無症状)、アルカンタラ(発熱)、池田隆英(無症状)、上川畑大悟(無症状)、スタッフ1名(発熱)
21日 野村佑希(発熱)、ヌニエス(無症状)、加藤武治投手コーチ(無症状)、スタッフ1名(無症状)
・ケガによる離脱
19日、上沢直之(右足中指骨折、全治4~6週間)
20日、松本剛(左膝蓋骨骨折、全治4週間)
※日付はケガをした日ではなく、診断がついた日
前代未聞である。数日のうちに監督、コーチ陣のあらかた、先発2本柱、主戦捕手、勝ちパターンのリリーフ、打線の核、内野の要etcが消えてしまった。ファイターズはこれまでもコロナ禍に見舞われたことがあったが、ここまで大規模なものは初めてだ。しかも、これほどの大ごとなのにセの人気球団にもっと大規模クラスターが発生し、何となく地味(?)な雰囲気になっている。
7月19~21日のオリックス3連戦(京セラ)は新庄ビッグボスのいないシリーズだった。初戦は山田代行、2、3戦は木田代行が指揮を執った。前述の「セの人気チーム」は1シリーズの中止を決めたが、ファイターズは休まなかった。本当は中止(正確には順延)の方が、松本剛の首位打者獲得を考えれば望ましい。しかし、公式戦の運営は勝手には決められないのだ。対戦相手もある。リーグ全体の日程もある。今後、国内の感染状況がどのようになるかわからない。やれる試合はやっといた方がいい。
ただオリックス3連戦は見ていてかなり寂しい印象だった。初戦(19日)は松本剛はもちろん、池田隆英、野村佑希、上川畑大悟、ヌニエスは出ていたのだ。それが毎日、(監督代行も含めて)削られていく。何かみんな消えてしまうような錯覚に陥った。一体、これからどうなるのか。