ソフトバンクが圧倒的な数字。パリーグ6球団、投打の通信簿【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回はパリーグ6球団の今シーズンの投打の成績についてだ。
2015/12/04
安定感抜群、ホークス投手陣
今年も残り1カ月を切った。
2015年、パリーグ各球団の投打を、データをもとに分析し、単なる強弱ではなく、チームの長所と弱点をあぶりだしたい。
まずは投手力だ。
先発のQS(クオリティ・スタート)は先発投手が6回以上投げて自責点3以下で抑えた試合数。完投は先発投手が一人で投げ切った数だ。完封は9回を零封した数。完封の中には複数の投手によるものも含まれる。
QSはソフトバンクが1位。しかし完投、完封は日本ハムが上。QSは投手の最低限の責任とされる。ソフトバンクは抜群の先発投手はいないが、試合を作ることはできていた。
対照的に日本ハムには大谷翔平というずば抜けた存在はいた一方で、他の先発投手との差が大きかった。
救援、セーブ、ホールド、救援防御率ともソフトバンクが1位。ソフトバンクの強みは、サファテ、五十嵐亮太、森唯斗など層の厚い救援陣だった。
対打者の成績を見よう。ここでもソフトバンクの数字は優秀だが、被本塁打は楽天とともにワーストタイ。昨年より23本増加した。
今春、福岡ヤフオクドームは外野にホームランテラス(ラッキーゾーン)を設置した。両翼100mは変わらないが、左右中間のふくらみが5m短くなった。この影響と思われる。しかし本塁打は46本も増加しており、収支は大幅プラスだ。
制球力はどうだろうか。SO/BBは奪三振数÷与四球数。投手陣の安定感、制球力を示す。この数値もソフトバンクが1位。
総合力でもダントツの1位。リーグ平均防御率(3.60)との差異に投球回数をかけたPR(ピッチング・ラン)でも、ソフトバンクはずば抜けた数字になっている。