苦しい先発陣を支えた菊池保則、第3の球種が飛躍の要因【2015年ブレイク選手・楽天】
最下位に終わり、梨田新監督を迎え再起を図る楽天。苦しい1年の中でも、投手陣には明るい光も見えた。
2015/12/08
高校BIG3と同期
2年連続最下位の楽天。打率.241がリーグ最下位なら、防御率3.82も同最下位だった。「投打ともにさえなかったなあ」。そう考える野球好きは多いだろう。しかし実は逆風の中、投手陣はよく健闘していたのだ。
得点と失点を見てみよう。
得点は日本一の2013年を皮切りに628、549、463。この3年間で165点も減らした。一方、失点は537、604、612。75失点増に止まった。
確かに不世出のエース・田中将大の穴は埋まらない。
しかし、傷口をそれ以上広げることなく、則本を中心に懸命な止血措置を施した。チーム防御率(昨年3.97から今年3.82へ)、先発力を測るQS率(昨年43.8%から今年54.5%へ)の改善は、その結果だ。66試合目にあたる6月21日には、あのホークスを抜き、3.07で防御率リーグ1位に立ったこともあった。
中でも今年飛躍した菊池保則の存在は大きかった。
ここまでローテーションに定着できずにいた8年目26歳が、6年目戸村とともに自らの殻を打ち破り、両人揃ってキャリアハイ100回以上の投球回を投げた。実績のある塩見、美馬、辛島が怪我や体調不良で苦しみ、規定投球回に到達した投手が則本1人だけという台所事情で、投手陣が体面を保つことができたのは、戸村とあわせて菊池の成長があったからだ。
2007年高校生ドラフト4位。茨城・常盤大高から楽天入り。高校BIG3と呼ばれた中田翔、唐川侑己、由規と同期にあたる。星野監督時代に佐藤義則投手コーチの薫陶を受け、周囲からポテンシャルを評価される逸材だったが、プロ入り6年間の成績は22試合12先発3勝止まりだった。