涌井・炭谷を1年目から抜擢した指揮官の前例。ドラフト成功のロッテ、平沢ら高卒3人にも開幕一軍の可能性
今オフに今江やクルーズら主力選手が相次いで退団したロッテ。その一方でドラフトでは甲子園を沸かせたトップクラスの選手と実績十分の社会人選手をバランスよく指名。ここ数年、順調に世代交代が進んでいるといえる。
2015/12/05
実績十分の社会人投手2枚は当然1年目から計算に
社会人卒の即戦力としては、2位入団で先発候補の関谷亮太と、4位入団で中継ぎ候補の東條大樹は、首脳陣もある程度計算に入れているだろう。
今年の秋季キャンプ期間中に伊東監督は「来季の先発ローテーションは涌井、石川、大嶺以外はまだ決まっていない」と発言しており、関谷にローテーション入りを期待するところも大きいはず。東條大樹についても右のサイドハンドで現在の千葉ロッテ投手陣にいないタイプの投手。「年間50試合登板」という具体的な数字もあちらこちらから聞こえてくるほどで、長いシーズンを乗り切るためには当然、活躍してもらわねば困る存在だろう。
話題性で他を一歩リードしているのは、自動車教習所教官の肩書ですっかりファンにおなじみとなった6位入団の信樂晃史である。
12月1日に行われた新入団選手発表会でも、伊東監督から「野球ではどんどんスピード違反をしてもらいたい」とコメントされた147キロ右腕。担当スカウトは制球力を評価しており先発要員として一考の価値がある。
最後に個人的に推したいのは7位入団の高野圭佑。新入団発表で行われた本社の商品PRの小イベントで、スタッフが用意した大きな絵馬に新人各自が自身の夢を書くというものがあったのだが、周りの新人たちが「どうする、どうする」と顔を見合わせる中、誰よりも早くペンを取り「世界一の強運」と書いた積極的な姿勢は、このあとの新人合同自主トレや春季キャンプでも、必ずや首脳陣の目に入るはず。チャンスを得られる日もそう遠くないだろう。近年の入団選手だと益田直也や伊藤義弘と入団時の雰囲気が重なる。ぜひ注目してもらいたい。
育成枠では、この度、阪神に復帰した藤川球児が「NPBでも十分通用する」と称賛した四国アイランドリーグplusのスピードスター大木貴将に、とってから投げるまでが1.7秒の強肩捕手、柿沼友哉は、担当スカウトで来季から2軍の投手コーチとして現場復帰をする小野晋吾が絶賛している。ファンの評価が高いのもなるほど頷けるし、現場首脳陣にとっても満足できるバラエティーに富んだ補強になったのではないだろうか。