メジャー66発の大砲に制球難の剛球リリーバー。中日、一芸特化の外国人補強は当たりか外れか
来季の助っ人としてビシエド、ハイメ、ノルベルトの3選手を獲得した中日。パワー特化のワンツールプレイヤーであるビシエド、剛球が魅力だが制球難の2投手、一芸に特化した新外国人は日本でどのような活躍を見せるのだろうか?
2015/12/06
長打力はMLBでも一線級、選球眼は?
今月1日、中日ドラゴンズは来季の新外国人選手としてダヤン・ビシエド外野手(26)、フアン・ハイメ投手(28)、ジョーダン・ノルベルト投手(28)の3選手を獲得することを発表した。メジャー通算66本塁打のビシエドを筆頭に強竜復活の切り札として期待がかかる3選手だが、揃って長所と短所のはっきりしたタイプのプレイヤーだ。果たして、中日の新助っ人たちは日本の野球に適応できるのだろうか?
獲得が発表された3人のうち最も大きな期待を受けるのが新4番候補のビシエドだ。
ビシエドは2008年にキューバから亡命し、19歳の若さでホワイトソックスと契約。当時はその天性のバッティングセンスからキューバの至宝オマール・リナレス2世として高い評価を受けていた。
2010年にメジャーデビューすると12年には25本塁打、78打点の活躍でレギュラーを獲得。翌年は成績を落としたものの、昨シーズンは自身2度目の20本越えとなる21本塁打をマークした。今シーズンは3球団に所属するもメジャーに上がることなくシーズンを終えている。
180cm、104kgの迫力ある体とパワー溢れるバッティングからついたあだ名は「The Tank」。12年~14年の3シーズンで60本塁打を放っていることからもわかる通り、その長打力はパワー自慢の多いMLBでも一線級。60本塁打のうち右方向34本、左方向26本と広角に飛ばせるのも魅力だ。当時のGMであるジェシー・ハンは「ベースボールの中でもそう簡単には見つからないパワーを持っている」と評している。
類まれなパワーを持つビシエドだが、あまりに多すぎる欠点ゆえにメジャーでの長期的な活躍には至らなかった。
筆頭としてあげられるのがその選球眼の悪さだ。
三振率21.6%はMLBの平均を少し上回る程度と三振の多いタイプではないものの、どんな球にも手を出すフリースインガーであり、四球率はわずか5.3%。ボール球スイング率も平均を大きく下回る39.2%と、ストライクを投げなくても打ち取れるバッターになってしまっていた。あまりに低い出塁率のため、2014年には21本塁打を放つもOPS.700未満という怪記録を達成している。
守備・走塁も平均を大きく下回る。
メジャーでは主に外野両翼を守ったものの、守備範囲が狭く、メジャー通算の守備防御点は-19。肩は強いが広いナゴヤドームの外野を任せるには不安が残る。日本では一塁、三塁、外野を守れると報道されているが、三塁は10年以来守っておらず、その年わずか23試合で4失策。基本は今季マイナーで最も多く守った一塁、セリーグでなければDHで起用したい選手だ。
守備の拙いフリースインガーというとフランシスコ(元読売)やベタンコート(元オリックス)らの失敗例が思い浮かぶが、果たしていかに。