まさに伝説…今もなお語り継がれる夏の甲子園の英雄5人|野手編【全国高校野球選手権大会】
2023/08/01
産経新聞社
松井秀喜
出身:石川県
投打:右投左打
身長/体重:186cm/95kg
生年月日:1974年6月12日
ドラフト:1992年ドラフト1位
強打の右バッターが清原なら、強打の左バッターは松井秀喜が出てくる方も多いはずだ。石川県の名門、星稜高校で1年から4番を務めた松井だが、元々は右打ちだったことも有名である。草野球であまりにも打ちまくることから、兄から「ハンデ」として左打ちを命じられたことが、左打ちに変わったきっかけだ。
高校2年の夏、茨城県の竜ヶ崎第一高校相手に特大のホームランを放った。さらに、3年の春では岩手県代表の宮古高校相手に2打席連続ホームラン。徐々に怪物ぶりを発揮し、「ゴジラ」と呼ばれる松井だが、高校3年の夏の出来事は誰もが記憶しているだろう。
松井を語る上で外せないのは、やはり5打席連続敬遠だ。松井にとって高校最後の夏、高知県代表の明徳義塾高校が相手の試合で、松井は一度もバットを振らせてもらえなかった。もちろん、四球を与えることは作戦の1つであり、ルール上禁止されていない。
とはいえ、スタンドから物が投げ込まれるなど、その時の甲子園は明らかに異様な雰囲気だった。明徳義塾が勝利した後、校歌が流れる場面では「帰れ」というコールが響いた。試合が終わった後のインタビューで、涙目になりながら「相手の作戦なので何も言えない」と語った松井の姿は、高校生とは思えない落ち着きと、やはり悔しいという気持ちが出た瞬間だった。