キャッチャーから球界屈指の剛腕へ…元捕手から投手転向で大成した5人
2023/01/31
産経新聞社
浅尾拓也
出身:愛知県
投打:右投右打
身長/体重:182cm/78kg
生年月日:1984年10月22日
ドラフト:2006年大学生・社会人ドラフト3巡目
久保田と同じく、セットアッパーとして剛腕っぷりを見せつけたのが浅尾拓也だ。愛知県の常滑北高校から日本福祉大学に進学し、落合政権下で絶対的なリリーフとして君臨した浅尾も、もともとは捕手だった。投手に転向となった理由は、常滑北高校の投手が足りなかったからだという。もし投手が足りていたら、浅尾の野球人生はどうなっていたのだろう。
高校時代に飛び抜けた実績はないうえ、浅尾が入学した当時の日本福祉大学は、愛知大学野球リーグの3部。浅尾はその環境で鍛錬を重ね、大学4年では150km/hを超える直球を投げられるようになった。
ドラフト会議で「無名校の星になる」と宣言した浅尾は、入団2年目の2008年に44試合・2009年に67試合と、確実に登板数を増やした。そして2010年、リリーフとして72試合に登板し、防御率は1.68。着実にステップアップを果たしたシーズンだったが、千葉ロッテマリーンズとの日本シリーズ第7戦、岡田幸文に決勝タイムリーを許してシーズンが終わった。敗れた瞬間、浅尾はうつろな表情で視点が定まっていなかった。
2011年は79試合の登板、防御率0.41という驚異的な成績を残したものの、徐々に登板試合数が減少。2018年で現役を引退した浅尾の「起用法」は適切だったのか、今もなお議論が絶えない。