粘るより早期決着が得策? 大物投手移籍決定で、急速に縮小する前田健太のマーケット
カープの前田は8日にポスティングが申請され、30球団への公示を経て10日に交渉が解禁された。市場に打って出た時には、先発投手の補強が必要だったチームに空いていた椅子の、半数近くが瞬く間に埋まってしまったが、前田獲得に興味を示す球団はまだ相当数残されている。
2015/12/11
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早期決着がベストな道か
前田は8日にポスティングが申請され、30球団への公示を経て10日に交渉が解禁されたばかり。ところが、市場に打って出た時には、即戦力先発投手を求めていた球団のうちいくつかは補強を終えてしまっていた。
先発投手市場の動きが、例年以上に早かったというのは、誤算の一つだろう。
代理人は、その選手を求める複数の球団に競わせることで、契約条件を釣り上げていく。そこに競争が生まれなければ、逆に安く買い叩かれる。
このオフは有力先発投手が市場に多く、当初は売り手市場と見られていた。
前田の契約も、譲渡金を含めて総額1億ドル(約122億円)以上の好条件を期待する声さえあった。それが今では、徐々に買い手市場の様相を呈しつつある。
広島にしてみれば、ウインターミーティング中に交渉解禁されるこのタイミングを、ポスティング申請の時期として最適と判断していたのかもしれない。ここまで市場が早く動くのは想定外だっただろう。
もっとも、前田獲得に興味を示す球団はまだ相当数残されている。
ドジャース、カージナルス、ヤンキース、オリオールズ、パドレス、アスレチックスらは、先発投手のアップグレードを目論んでいる。ここからは代理人を務めるアダム・カッツ氏の腕の見せ所だ。
交渉期限は30日間残されているが、この状況下では好条件のオファーを引き出そうと粘って時間を使うのは得策ではない。
諸条件が重なったことで、意外な早期合意に導かれても何ら不思議ではない。