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【MLB】前田は球威より、軌道の変化と緩急で勝負。スライダーはメジャー屈指の武器に

前田健太を射とめるのはどのMLB球団だろうか。争奪戦まっただ中の現在、現地メディアにおいても彼に関する記事を多く目にすることができる。その中でも『SBネーション』の『アメイジング・アベニュー』は、驚くほど詳細に前田のキャリアや実力分析を報じている。

2015/12/15

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客観的データが示した、スライダーの変化量

「1988年大阪で生まれた前田健太は、現在広島東洋カープのエースでニックネームはマエケンだ。この右腕投手は、PL学園という夏の甲子園大会において過去30年でもっとも成功を治めた高校の出身で、同校在学の2006年にカープにドラフト指名された」
 
 この書き出しで始まる、サイバ記者による記事は、プロ入り後から今季終了までの詳細な経歴を掲載している。
 
 それは毎年の成績の羅列に留まらない。「09年には高橋建がメッツに移籍したこともあり、一層重要な役割を担うこととなった」「10年の投手三冠は史上最年少だった」「11年は沢村賞受賞の前年を上回る成績を挙げたが、連続受賞はならなかった。それは統一球の影響もあり、田中将大やダルビッシュ有がモンスターシーズンともいえる成績を上げたからだ」などという記述も目につく。
 
 前田の技術評価も詳細かつ客観的だ。まず、あるスカウトが厳しい評価を下したことを紹介している。
 
According to a tweet Jeff Passan sent out during the WBC, an anonymous scout said that he he saw Maeda as a “fourth starter in MLB” at best, citing his fastball velocity.
『Yahoo!スポーツ』のジェフ・パッサンのWBC期間中のツイートによると、「ある匿名スカウトは、球威のなさを理由に前田はぜいぜい先発ローテ4番手クラスでしかないとコメントした」ようだ。
 
 たしかに、前田の速球にはメジャーレベルでは圧倒的と言えるような球速はない。
 しかし、彼の投球の真髄は、制球力や球種の豊富さにあるとしている。
 
「前田は80マイル前後のスライダーを投げる。これも球速は平均以下だがとても変化が大きい。ジェレド・ウィーバーのスライダーも球速は同程度だが、やはり大きな変化でしっかり効果を挙げている。PITCHf/xのデータによると、前田のスライダーのほうが変化が大きい」
 
 ウィーバーは最多勝2度のエンゼルスのエースで、PITCHf/xとは2013年から導入された多角的映像による投球解析ツールだ。
 これにより科学的な投球分析が飛躍的に向上した。前田のスライダーはメジャーを代表する投手のそれよりも優れていると、客観的データが示しているというのだ。
 
 記事ではカーブも落差が大きく、かつ落ちる角度が垂直に近いこと、大きな変化にも関わらず狙ったスポットに投げ込めることを紹介している。他にもチェンジアップ、シュート、シンカー、カッターも投げるとしている。因みに「シュート」とは日本独自の表現だが、記事中では”shuuto”と表記している。

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