【2015年ブレイク選手】「120点を目指さない」カープ・福井、自己最多9勝の裏に黒田からの言葉
高校・大学と実績を残し鳴り物入りでカープに入団した福井。ルーキーイヤーに8勝をマークして以来、殻を破れずにいた。しかし今季、メジャーから復帰した大黒柱の一言が福井を変えた。
2015/12/22
完璧主義が裏目に
初のシーズン二ケタ勝利には届かなかったものの、2015年、福井優也は、ようやくその才能の片りんを見せた。
かつては済美高で甲子園優勝、早稲田大では斎藤佑樹・大石達也らとともに東京六大学屈指の強力投手陣を形成した福井はボールの威力や質は一品で、早大3人の中でも「一番プロ向き」との声もあった。
実際、ルーキーイヤーの2011年に8勝をマークし、一軍の先発ローテーションに定着した。
しかし、すんなりいかないのがプロ野球の世界だ。
そこから3シーズンで福井が上げた勝ち星はわずか6勝にとどまり、一軍と二軍を行き来することも多くなっていった。
ボールの質の高さを疑う者はいなかった。
ただ、「完璧主義」を自認する本人の性格もあり、ランナーを背負ってからの投球やカウントを不利にしてからのマウンドさばきに課題を残すようになっていた。
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