【2015年ブレイク選手】「120点を目指さない」カープ・福井、自己最多9勝の裏に黒田からの言葉
高校・大学と実績を残し鳴り物入りでカープに入団した福井。ルーキーイヤーに8勝をマークして以来、殻を破れずにいた。しかし今季、メジャーから復帰した大黒柱の一言が福井を変えた。
2015/12/22
変わるきっかけとなった黒田の言葉
2015年、福井は変わった。もちろん、本人のシーズンオフからの継続的な努力もあるが、カープに復帰した黒田博樹の存在も大きかった。
「黒田さんが(カープに)帰ってきて、クオリィティースタートということを言ってもらって気持ちの面で楽になりました。それに、福井は120点を目指してボールを投げていると言葉を掛けてもらいました。それがヒントになりました。去年までは、打たれたくない、点をやりたくない、完璧に抑えたいと考えていました。でも、今年は、良いボールでも打たれることもある。点を取られることもあると考えられるようになりました」
もちろん、福井の能力の高さを踏まえた上での言葉であろう。気持ちの中に「ハンドルの遊び」の要素を持てるようになったことで、ピッチングに余裕や大胆さが蘇ったのである。
フォークボールを例に挙げてみる。「変化球。特にフォークボールでストライクを取れるようになったのが大きいです。これは考え方の転換です。フォークを落とそうとばかり考えず、少しタイミングがずれてくれればいいと考えるようにしました。すると、うまくいくようになりました」。
120点を目指さない。ランナーを出してもゼロに抑えれば良い。カウントを不利にしても慌てない。