ドラフト下位指名二人が存在感。低迷チームに希望の火を灯した西野&小田【2015年ブレイク選手・オリックス】
大型補強に成功したオリックスはソフトバンクの対抗馬として期待されていた。しかし終わってみれば、5位。主力選手の相次ぐ故障や不振に苦しんだが、その状況下でルーキー2人がチャンスをつかんだ。
2015/12/14
オリックス・バファローズ
前半戦の希望となった西野
「もう怪我は大丈夫です。あとは実戦感覚だけですね。また書いてください」
私が高知秋季キャンプで5カ月振りに顔を合わせ「ご無沙汰しております」と西野に声をかけるとこのように話してくれた。
今年の春季キャンプでは侍ジャパン小久保裕紀監督に「バットの軌道がいい」と称賛された西野は、開幕一軍の切符を手に入れると4月29日の「Bsオリ姫デー」(楽天戦)でプロ初ホームランを放ち、一気にシンデレラボーイへの階段を駆け上がっていった。
ドラフト7位、167cmの小さな巨人は、開幕から低迷が続くチームの希望であり、救世主だった。得点圏打率は一時.480(最終成績も.425)にも達するなど「常に繋ぐ気持ちを持って打席に立っています」という西野の気持ちはチーム全体に広がり、打線が繋がった試合は勝利を収めている。
福良監督代行になると3番で起用されるなど、西野へのベンチの期待や信頼の高さが伺える。日本ハムの有原航平とともに新人王候補の呼び声も高く、グッズも定番選手に追加された。これはドラフト下位指名選手としては異例の出来事だ。
しかしフレッシュオールスターにも選出された矢先、右有鉤骨骨折で7月4日に登録抹消。7月2日の日本ハム戦では大谷翔平からヒットを放ったばかりだっただけに、西野の離脱はチームやファンを落胆させた。
もちろん一番悔しい思いをしたのは西野自身であるのは言うまでもない。怪我人続出からチャンスをモノにした自分まで怪我で後半戦を棒に振るとは思わなかっただろう。