ドラフト下位指名二人が存在感。低迷チームに希望の火を灯した西野&小田【2015年ブレイク選手・オリックス】
大型補強に成功したオリックスはソフトバンクの対抗馬として期待されていた。しかし終わってみれば、5位。主力選手の相次ぐ故障や不振に苦しんだが、その状況下でルーキー2人がチャンスをつかんだ。
2015/12/14
オリックス・バファローズ
後半戦で頭角を現した小田
「2月は何で打ててるのかなって思ってました」
西野とともに春季キャンプから一軍に帯同したドラフト8位、小田裕也は2月に行われた練習試合で結果を出し、熾烈な外野手争いに加わる勢いだった。しかし小田の不安は的中してしまう。3月に入りオープン戦に入るとさっぱり打てなくなってしまったのだ。
開幕一軍の切符は手に入れたものの、出場することなく登録抹消された。
「二軍ではあまり結果を出せてないんですよね」
8月に再登録された時、小田はこんな話をしていたが、何度か二軍に取材で訪れた際も結果を出せてなかった。
しかし8月5日に再登録、即スタメンで起用されると第2打席でプロ入り初安打。ヤフオクドームで行われた12日のソフトバンク戦ではプロ初ホームランを放ち、初めてのヒーローインタビューを地元九州で受けた。15日の「Bsオリ達デー」(ロッテ戦)では「ホームランよりもこだわりがある」三塁打で本拠地初のヒーローインタビューを受けた。
しかし8月下旬から調子を落とし9月6日に再び二軍へ。
二軍では「上半身と下半身が連動できていなかった部分があったので下半身を中心に強化して来ました」という。9月21日に一軍に昇格するといきなり猛打賞。福良監督代行も「小田はストライクを逃さない」と評価していた。
西野真弘
57試合/打率.304/本塁打3/打点22/盗塁9
小田裕也
31試合/打率.326/本塁打2/打点6/盗塁6
オリ姫デーでヒーローになった西野と、オリ達デーでヒーローになった小田。
「お二人には縁がありますね」と小田に話すと「普段も仲が良いのでうれしいですね。二人で一年間スタメンで出られるようになりたいです」と答えてくれた。
秋季キャンプでも二人が一緒に球場を出る場面が見られた。タクシーへ向かう花道の両サイドにたくさんのファンが集まり、一人一人に神対応でサインなどファンサービスをする姿はとても微笑ましく映った。
西野は秋季キャンプで来季「セカンドのレギュラー」を明言し、小田は13日に行われたトークショーで「3割30盗塁」を来季の目標として掲げた。
今年のブレイクは本物か――当然、来季はその真価が問われることになる。