【データで選出7月月間MVP】村上ではなく中日・岡林が12球団トップ。同じく中日・髙橋宏斗も圧倒的奪三振能力を発揮
2022/08/08
産経新聞社
3打席連発ヤクルト・村上の圧倒的な打撃貢献
評価にはWAR(Wins Above Replacement)を使う。WARとは打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価し、控えレベルの選手が同じだけ出場した場合に比べどれだけチームの勝利を積み上げたかを推測した指標だ。図中の打撃、走塁、守備のグラフは、それぞれどの分野で優れた働きを見せたかを表すWARの構成要素となっている。
まずは野手から見ていこう。パ・リーグでは森友哉(西武)、セ・リーグでは岡林勇希(中日)が、それぞれ1.55、1.88とトップのWARを記録した。
各分野で優秀だった選手を見ていこう。打撃では、村上宗隆(ヤクルト)が平均的な打者に比べ、11.6点チームの得点を増やすという図抜けた貢献を果たした。7月31日阪神戦の3打席連続本塁打が記憶に新しいが、その活躍はデータから見ても傑出している。
パ・リーグでは、森が7.2点と高い貢献を収めた。7月の打率/出塁率/長打率は.325/.435/.481。今季序盤は出遅れたが、ここに来て本来の森の打撃が戻ってきている。
ほかにはランキングからは漏れたが、吉田正尚(オリックス)が9.8点を記録。若月健矢、中川圭太が総合3位、4位に入るなどオリックス勢が優れた成績を残していたようだ。
中日・岡林が攻守の活躍で村上を上回り12球団全選手トップ
守備評価には同じイニングを守った平均的な同ポジション選手と比較してどれだけ失点を防いだかを表すUZR(Ultimate Zone Rating)を使用する。しかしUZRは同ポジションの選手との守備を比較する指標であるため、異なるポジションの選手を比較する際は、ポジション間の補正を行う必要がある。一般的に高い守備力、もしくは独自性のあるスキルを要するポジション(遊撃手や二塁手、捕手など)を守った選手はプラスに補正をかけ、その逆のポジション(一塁手や左翼手など)はマイナスの補正をかけるといった具合だ。この守備位置補正をUZRに加えたものが守備貢献となる。
守備では3年目の中日・岡林が素晴らしい守備貢献を見せた。岡林は全選手の中で断トツとなる守備貢献7.5点を記録。これに加え打撃でも6.9点と好成績を残したこともあり、村上を上回り、12球団総合トップの貢献度となった。
パ・リーグではランク外ながら、外崎修汰(西武)が先月に引き続き守備貢献トップとなる5.8点を記録している。