球界を代表する主力選手が揃う埼玉西武。控え野手・リリーフ陣の層の薄さは深刻【2015年通信簿】
まさかの失速劇だった。序盤はAクラスだったライオンズはシーズン中盤にまさかの13連敗。投打にわたり駒不足を感じさせる1年だった。
2015/12/23
岸・菊池が誤算。リリーフ陣に負担がかかる結果に
【投手2点】
エースの岸、田邊監督に「優勝の鍵」と期待された菊池がいずれも期待を裏切り、開幕投手を任された牧田、13年に初の二ケタ勝利を飾った野上も不本意な成績に終わった。
ただひとり先発ローテーションを守り続けた十亀がチーム唯一の二ケタ勝利を挙げたものの、先発陣がこれではチームとして安定した戦いをできなかったのも当然だ。
ブルペン陣では高橋朋、増田、武隈がいずれも60試合以上に登板とフル回転した一方、3人に続く存在が出てこなかった。
2016年には試合中盤から終盤の勝負どころでつぎ込める駒を増やさないと、優勝争いは難しい。
ショートを固定できず
【野手3点】
シーズン最多安打記録を達成した秋山が1番としてチームをけん引。4番の中村剛也は139試合に出場し、本塁打と打点の二冠に輝く活躍で主砲の活躍を見せた。打線の屋台骨がしっかりしていた一方、主に2番を任された栗山が打率2割6分8厘、浅村栄斗が打率2割7分、メヒアが2割3分5厘と期待に応えることができず、打線はつながりを欠いた。
ショートは「帯に短し襷に長し」でレギュラーを固定できず、攻守ともに頼れるのはベテランの渡辺直人くらいだった。ライトでアピールする野手陣も見当たらず、森や脇谷という本職ではない選手の起用が増えていった。
レギュラー以外では代打で勝負できる駒が大﨑くらいしかいなく、層の薄さがシーズン中盤以降の失速につながった。
【守備3点】
捕手の炭谷、センターの秋山がゴールデングラブ賞を獲得した一方、内野の要であるショートが不安定だった。
金子侑司、外崎修汰がレギュラーを獲るには、守備力の向上が求められる。
永江恭平はプロでもトップクラスの守備力を誇るものの、打率1割8分2厘と打撃の課題が解消されない。中島裕之(現オリックス)が抜けて以来、ショートが固まらないのは悩ましいところだ。
外野は広範囲をカバーする秋山に助けられているが、両端のポジションに不安が残った。