球界を代表する主力選手が揃う埼玉西武。控え野手・リリーフ陣の層の薄さは深刻【2015年通信簿】
まさかの失速劇だった。序盤はAクラスだったライオンズはシーズン中盤にまさかの13連敗。投打にわたり駒不足を感じさせる1年だった。
2015/12/23
作戦コーチに橋上氏を招聘。新外国人の働きはいかに?
【ベンチワーク2点】
自身を「頑固」という田邊徳雄監督はシーズン序盤、調子の上がらない2番・栗山、5番・メヒアの打順を動かさず、調子が上がってくるのをジッと待った。
とりわけ栗山にはバントのサインをほとんど出さず、理想に掲げた攻撃的な野球を貫いた姿勢は評価できる。
しかしシーズンが後半に差し掛かると一転、球界で誰よりもヒットを重ねていた秋山に送りバントさせる場面が度々あった。
勝ち切れない試合が続いた結果、目の前の1点にこだわり、野球が小さくなった印象だ。攻守ともに途中投入で勝負できる駒が少なく、ベンチワークで勝利した試合はなかなか見られなかった。
来季は作戦コーチに橋上秀樹を招聘。フロントは選手のモチベーションコントロールに長ける田邊監督の手腕を活かしながら、2015年以上の成績を目指していく。
【総合2点】
7月14日時点で首位のソフトバンクに6.5ゲーム差の3位につけていたものの、翌日の楽天戦から13連敗を喫して優勝争いから脱落。
開幕5連勝と好スタートを切ったシーズンだったが、オールスター明けには最大目標を見失う形になった。
本稿でも指摘したように、チーム最大の課題は攻守ともに駒不足だ。
9月10日、2カ月後に開催される「世界野球プレミア12」に臨む侍ジャパンの候補選手45名が発表された際、ライオンズからは最多の8人が選ばれている(郭俊麟は台湾代表として出場)。主力だけに限れば、球界でも屈指の豪華メンバーだ。
しかし、野手陣で言えば下位打線や代打、投手陣ではブルペンの層が他チームと比べて極端に薄い。
毎年のように外国人選手の補強に失敗している点も大きく、これらを改善できるかが2016年のポイントになる。