投手陣の踏ん張りで3位へ滑り込んだロッテ。優勝へ補強は不可欠【2015通信簿】
クライマックスシリーズ進出へ向けて、シーズン終盤までライオンズとの激しいデッドヒートを繰り広げたロッテ。土壇場で3位を確保し、日本ハムとのクライマックスファーストステージでは大谷を攻略し、ファイナルステージへ勝ち進んだ。
2015/12/30
故障者多し、外国人選手も不振で打線に物足りなさ
【野手2点】
個人打撃成績の上位を見ると今年ブレイクした清田育宏(4位.317)と、角中勝也(6位.293)の二人が名を連ねている。しかし、チームOPS.688は上位進出のチームとしては物足りないし、高く評価することはできない。
期待された主砲デスパイネが、シーズン通した不振に陥り、決定的なチャンスを潰すこともしばしばも見られた。ベテランの福浦和也の献身的な打席とはこれまた対照的に映り、不満を募らせるファンも多かったのではなかろうか。
さらにラインナップを組む上でベンチを悩ませたのが、今江敏晃、角中勝也ら主軸に故障が相次いだこと。当然得点力は半減され、その分の負担は投手陣に強いられた。
シーズン前半はルイス・クルーズが突如として覚醒し、5月まで12本の本塁打を放つなど驚かせたが、やがて他球団に研究され、6月以降はわずか4本塁打。あの騒ぎは何だったのかと、首を傾げるくらいおとなしくなっていた。
そんななかでの救いは中村奨吾や高濱卓也が経験を積み、来季の期待が繋がったことくらいか。辛口の採点にならざるをえない。
チームを救った田村の盗塁阻止
【守備3点】
シーズン終盤の淡泊な打撃とは対照的に、数々の美技でチームを救ったルイス・クルーズ。こうした計算できない意外性が、打席に立つたび「今日もダメか」と嘆息しながらも、「また使うか」となってしまう魅力なのかもしれない。
浅いファールフライでも懸命に追いかけてキャッチした、これまた福浦の献身的な守備はQVCに集まるファンを何度も涙させたし、そうしたプレイがあったからこそ、本塁打を打つわけでもない、打率が特別高いわけでもない、チャンスに打てるわけでもない、ないないずくしのマリーンズを3位に滑り込ませた一つの要因になったようにも思える。
高卒3年目の捕手・田村龍弘の成長は見逃せない。
盗塁阻止率.429はセ・パ両リーグ合わせても最高で、彼が盗塁を刺すことで、試合の流れを引き戻すシーンが何度も見られた。