投手陣の踏ん張りで3位へ滑り込んだロッテ。優勝へ補強は不可欠【2015通信簿】
クライマックスシリーズ進出へ向けて、シーズン終盤までライオンズとの激しいデッドヒートを繰り広げたロッテ。土壇場で3位を確保し、日本ハムとのクライマックスファーストステージでは大谷を攻略し、ファイナルステージへ勝ち進んだ。
2015/12/30
限られた戦力でAクラスへ導いた伊東監督
【ベンチワーク4点】
豊富な戦力とは言いがたかった今年の千葉ロッテで、3位に滑り込むことができたのは伊東勤監督を中心とするベンチワークの賜物だろう。
「長距離打者を育成してほしい」「もっと足(特に盗塁)を使った攻撃を増やしてもいいのでは」といった課題があることはあるのだが、若手を積極的に起用しただけでなく、中堅やベテランのモチベーションを上げながら、万遍なく起用し、結果としてリーグ3位に滑り込み、クライマックスファイナルステージに進出できたのは、1軍首脳陣だけでなく、2軍首脳陣との連携までうまくいったからではなかろうか。
先発でなかなか頭角を現せなかった阿部和成が、シーズン後半に中継ぎとして覚醒の兆しを見せたことや、2年目の二木康太が来季はローテーション入りが期待できるほどの成長を見せたことは、その代表とされるところである。2016年に向けて楽しみも多い。
【総合2点】
とは言え、来季に向けてやるべきことは山積みであることは間違いない。優勝した福岡ソフトバンクとの間にできた18.5ゲームの差はそう簡単に埋まるものでもないし、個々の採点が甘めになったのも「この戦力にしては…」の部分が正直強い。
先発陣の軸になくてはならない唐川侑己の再生はチームの命題だ。
打線の中軸を固定できなかったのも18.5ゲームの差に表れているようにも思える。投打ともに力の抜きん出た選手がもう2、3人ほしいところだ。
「3位滑り込み」ではなく、「優勝」を狙えるチームに変貌することを切に願う。