阪神、最大の課題「主力高齢化」――金本新監督へ大きな宿題を残した和田前監督【2015通信簿】
3位でクライマックスシリーズ出場を果たした阪神。結果だけ見れば、Aクラスという最低限の目標は達成したが、ここ数年課題となっている「主力の高齢化」へ解決策を見いだせず、金本新監督へそのまま引き継がれる。
2015/12/28
終盤まで優勝争いに加わるものの、最後に失速
【ベンチワーク1点】
シーズン3位という結果は、厳しい言い方をすれば他5球団も軒並み不調だったことによる「棚ぼた」だったと言える。
長年の課題である「主力の高齢化」は、今年も解決せず。高卒3年目の藤浪がエースへと成長したが、そもそも放っておいてもこのぐらいはやれる「素質」を持つ投手だけに、チームが「育てた」という印象はない。
鳥谷がいるから外野にコンバートしたはずの大和を、上本、西岡の離脱があったとはいえ二塁で起用したり、そもそも今季限りでの退団が噂されていた呉が終盤に離脱した途端にあたふたしたり、梅野を我慢して使えず、結局ベテランの鶴岡一成に頼らざるを得ないなど……。
よくいえば「やりくり上手」だが、裏を返せば「その場しのぎ」の采配が目立ってしまった。
「先を見越した」プランニングができなかったのは、和田監督ら首脳陣はもちろん、フロントも含めた球団全体の課題といえる。
【総合2点】
ここ数年続いている「終盤までは優勝争いを展開して、最終的に失速」という流れは、残念ながら今年も継続。8月18日から東京ドームで行われた巨人との首位攻防3連戦での3連敗や、「勝てばクライマックスシリーズ出場決定」だった広島との今季最終戦など、「大事な一戦」をモノにすることができなかった。
これまでは選手個々の能力でなんとか乗り切ってきたが、主力選手の全盛期は過ぎつつある。
和田体制のラストイヤーは、3位という一応の「結果」を残すことはできた。
しかし、一方で金本知憲新監督に大きな「宿題」を残すことになってしまったのは、いささか残念だ。