育成主義を貫く日本ハムは大谷・中島ら若き選手が中心戦力に。忍耐強く魅力的な栗山野球【2015年通信簿】
クライマックスシリーズファーストステージで敗れたが、ホークスにつぐ強さで2位独走したファイターズ。忍耐力と柔軟性を兼ね備えた栗山監督の下、若き選手が順調に育ち、戦力になっている。
2015/12/28
評価に値するのは成績のみではない
【ベンチワーク4点】
若手ばかりのファイターズを率いる指揮官には、多少の不振に目をつぶっても使い続ける忍耐強さが求められる。そのあたりは栗山監督も心得たもの。前半戦さっぱりで、ファンも我慢の限界に達したレアードを根気強く使い続け、終盤戦の「寿司旋風」を呼び込んだ。
近藤の飛躍も送球難から解放し、DHに固定した起用法の成果といっていい。
【総合4点】
ホークスの独走を許したものの、3位以下に大差をつけての2位は評価に値する。
評価できるのは成績だけではない。
プロ野球人気の低下が叫ばれる中、ファイターズはファンを盛り上げようと面白い野球に取り組んでいる。大谷の二刀流はもちろん、中島の驚異の粘り、12球団最多の134盗塁などが、その貪欲さを雄弁に物語る。
もうプロ野球だからといって、だれもがなびく時代ではない。
プロ野球界の中で勝つだけでなく、野球の魅力を積極的に外の世界に発信しようとするファイターズの姿勢は、この業界全体が持つべきものではないだろうか。