「つばめ改革」実ったヤクルト。来季は球団史上2度目の連覇に挑戦【2015年通信簿】
今季、混戦セリーグを制したのは東京ヤクルトスワローズ。リーグ屈指の強力打線を武器に来季は球団史上2度目の連覇に挑む。
2015/12/31
日本シリーズ完敗を戒めに野村監督以来の連覇へ
【総合5点】
「来年は真中新監督のもと、胸を張って5点満点をつけられるようなシーズンになることを切に願う」
昨年はそんな一文で「通信簿」を結んだが、正直に言えばそれが今年、現実になるという確信は持てなかった。
それでも『予感』は十分にあった。選手のモチベーションが違うと思ったからだ。昨年はオフに大きな戦力補強のないままシーズンに臨んだことで、悪くいえば選手たちが「シラケて」しまったところがあった。しかし、今年は結果的に期待どおりの働きはできなかったものの千葉ロッテからFAで成瀬善久を獲り、北海道日本ハムからはやはりFAで大引啓次を獲得した。
親会社であるヤクルト本社が創業80周年という節目の年を迎えたこともあったのだろうが、2年連続最下位からの巻き返しを期して球団がしっかりとファイティングポーズを取ったことが、ナインに与えた影響は小さくなかったはずだ。
一時はセリーグ全球団が借金生活に陥るなど、どのチームも決め手を欠いてペナントレースが稀に見る混戦となったのも功を奏したといえるが、その混戦から抜け出した9月以降の戦いぶりはリーグ王者にふさわしいものだった。
残念ながら日本一には手が届かなかったものの、日本シリーズで福岡ソフトバンクにイヤというほど力の違いを見せつけられたことは、選手たちに良い意味で戒めとなった。今年で通算7度目のリーグ優勝を飾ったスワローズだが、連覇は野村克也監督時代の1992、93年の1度だけ。来年はその『偉業』に挑む。