村上宗隆は“全盛期の王貞治”も射程圏内。“王以外”なら歴代トップの打撃指標に
2022/08/14
産経新聞社
バース、カブレラ、松井、バレンティン、落合、長嶋を超えるペース
しかし王は日本プロ野球の歴史において例外的な存在である。このwRAAについて歴代でベスト10を作ると、10人中9人が王の記録となるほどだ。そこで王を除いた中でランキングを作成してみた。王を除いた場合のトップは、1986年、三冠王を獲得し阪神の日本一に貢献したランディ・バース。このバースが王以外で唯一歴代ベスト10に入った打者である。
王貞治を除いたときのシーズンwRAA歴代ベスト10
バース(1986) 85.8
バレンティン(2013) 82.0
カブレラ(2002) 81.8
小鶴誠(1950) 80.9
松井秀喜(2002) 79.9
藤村富美男(1950) 78.0
柳田悠岐(2015) 76.7
落合博満(1985) 74.8
長嶋茂雄(1961) 72.4
落合博満(1986) 71.6
この1986年バースのwRAAはというと85.8。今季村上のwRAAをシーズン単位に換算すると87.4点となる。今季の村上はあのバースをも上回るペースなのだ。ということは、村上はこのペースを維持できれば、王を除いた打者での歴代最高シーズンを送ることになる。
さきほど今季の村上でさえも、さすがに王の歴代最高記録には及ばないことを紹介した。しかし王も毎年のようにこれほどの記録を残したわけではない。今季の村上のペースwRAA87.4を超えるシーズンを残したのは、王でさえ2シーズンにとどまるのだ。我々は歴史的なシーズンを目の当たりにしているのかもしれない。
王貞治と村上宗隆のwRAAベストシーズン比較
王貞治(1973) 92.9
王貞治(1974) 87.8
村上宗隆(2022想定) 87.4