落合監督も絶賛した長打力。中日・福田永将、来季は新外国人とレギュラー争いに【2015年ブレイク選手】
今季、開幕3連敗を喫した中日。嫌な流れを断ち切ったのは、オープン戦から打撃絶好調だった福田だった。1年通じた活躍はできなかったが、大きな一歩を踏み出した。来季は新外国人ビシエドとのレギュラー争いとなる。
2015/12/21
一時はポジションが決まらず
入団直後の春季キャンプでは一軍に抜擢されるも、1年目はウエスタンで9試合の出場に終わる。そのオフに内野手に転向し、打撃面では豊かな将来性を示すようになる。そして、3年目の2009年、7月7日の東京ヤクルト戦に代打で初打席に立つと、押本健彦から打った瞬間にそれとわかる本塁打を放つ。落合監督が「やはり、あいつは何か持っている」と笑顔を見せた一軍デビュー。そんな衝撃に反して、その後も一進一退という状態が続く。
2011年10月19日の東京ヤクルト戦は、中日が初の連覇に向けて天王山になると思われた本拠地最終戦だった。
だが、前日に優勝を決めたことで消化試合になると、この年限りでの退任が決まっていた落合監督は、自ら思い描いていた“数年後のスタメン”を上位打線に並べる。一番・大島洋平、二番・岩﨑達郎(現・東北楽天)に続いてコールされたのは、三番サード・福田だった。守りでは、ぎこちない動きで悪送球をしてしまうが、バットでは4回裏に中前安打を放ち、続く四番・平田の三塁打でホームを駆け抜ける。落合監督も、福田の可能性に期待を寄せていたことがわかった。
しかし、翌2012年には捕手へ再転向するなど、持ち前の打力を生かすためとはいえ、ポジションが決まらない“住所不定”の状態が続く。
もう代打としてしか生き残る道がないのかと思われてきた今年、福田は技術面で大きなきっかけをつかむ。軸足の付け根に重心を移すという感覚を理解し、左肩が早く開いてしまうクセも、右肩を出さないというイメージで修正できるようになる。すると、スイングの際に上下の動きに連動性が生まれ、オープン戦では打率.483、4本塁打13打点と覚醒。開幕一軍に名を連ね、阪神戦で骨折した森野将彦が戦列を離れるとファーストでスタメン出場し、思い切りのいい打撃で7連勝の原動力となり、開幕3連敗で躓いたチームを浮上させた。