必然だった西武・秋山翔吾の打撃開眼。来季は「後ろに任せていた役割もこなしたい」
さまざまな大記録が打ち立てられた2015年。シーズン開幕前に秋山翔吾が、最多安打記録をマークすると予想できた人はどれほどいただろうか。
2015/12/19
「最多安打記録」を持つ秋山の次なるハードル
秋山の打撃開眼は「変化」「脱セオリー」の中から生まれたものだったというわけだ。
そこへ懸けた彼の思い、そして実践は見事だったといえるだろう。
しかし、人生はまだ続く。来季へ向け、次なるハードルが待ち受けているだろう。「最多安打の秋山」という。
だが秋山は、そのようなことは百も承知で、「今季の成績がこれから苦しいほうに出るのか、良いほうに出るのかわからない」としたうえで、来季へ向けて、気持ちを新たにしている。
「今年の記録というのは、若いカウントから積極的にいけたから達成できました。後ろに、栗山さんという技術も経験もある方がいて、その後ろには浅村という打点王を取った素晴らしいバッターがいた。速いカウントで打っていって凡打になっても、後ろの打者が何とかしてくれるだろうと勝手な信頼を押しつけていた部分がありました。その中での記録でもあった。来年からはそれだけではいけないと思っています。積極性は失ってはいけないですけど、年齢とともに役割は変化していくと思うし、後ろのバッターに任せていた部分を自分でこなせるようにしたいです。そのうえで結果が出たら最高だなと思います。それがたとえ、200本という数字にならなくても、大きな意味があると思っています」
今回のコメントはすべて今年1年の取材ノートをめくり直して記事にしたものだ。
それらを読み返せば、読み返すほどに、秋山の意識の高さが読み取れる。結果が出るにはそれ相応の理由がある。いや、裏付けがあるのだ。
改めて思う。
秋山は記録を達成するべくして達成したのだと。
「なぜ」の疑問は消えていた。