ドラフト外から大スターへ!ドラフト外入団の一流選手6人|プロ野球ドラフト会議
2024/01/20
産経新聞社
大野豊
出身:島根県
投打:左投左打
身長/体重:177cm/75kg
生年月日:1955年8月30日
ドラフト:1976年ドラフト外
軟式野球出身ながら、広島を22年間支え続けた一流選手が大野豊である。島根県の立出雲商業高校は硬式だったが、就職先の出雲市信用組合で軟式野球を続けた。社会人を選んだのは、母子家庭で支えてくれた母親を楽にさせたいという気持ちがあったからだ。
社会人で軟式野球を続けた大野は、1977年のキャンプ中に広島のテスト生として参加。見事に合格を勝ち取ったものの、1年目はわずか1試合の登板で防御率135.00。まさにどん底からのスタートと言っていいだろう。
しかし、プロ2年目で大野に転機が訪れる。1977年オフ、南海から江夏豊が広島に移籍したのだ。大野は江夏とともにフォームの改造、さらにはプロ意識の叩き込みなど、江夏からプロとして生きる術を教わった。教えの甲斐もあり、大野は2年目に41試合に登板。防御率は3.77という数字を残し、一流選手になるきっかけを作った。
その後の大野は、先発・中継ぎ・抑えの全てをこなす存在として、広島に欠かせない戦力となる。22年間で148勝だけでも素晴らしい数字だが、138セーブを記録したことも大野の凄さを象徴している。41歳で最優秀防御率(2.85)のタイトルを獲得するなど、最後まで輝き続けた選手だった。