これぞ魔球…フォークを武器に活躍した最強投手5人|レジェンド編【変化球-球種別最強投手】
2022/09/05
産経新聞社
杉下茂
出身:東京都
投打:右投右打
身長/体重:182cm/71kg
生年月日:1925年9月17日
今でこそフォークは一般的に投げられている球種だが、日本で最初にフォークを投げ始めた選手が杉下茂である。「フォークボールの神様」と呼ばれ、後のプロ野球発展に大きな影響を与えた選手だ。
社会人野球のいすゞ自動車から明治大学に進んだ杉下は、後に中日ドラゴンズの監督となる天知俊一からフォークを伝授された。詳しい握り方や投げ方も知らない中で、はじめはバッターに投げられるボールではなかったものの、練習を重ねて習得したという。そして1951年、メジャーリーグの3Aのキャンプに派遣された杉下は、打撃練習でフォークを投げる。すると、杉下本人が驚くほどボールが直角に落ちたのだ。
見事にフォークをものにした杉下だが、試合で投げることは多くなかった。フォークを投げると、味方の野手から「自分たちにも野球をやらせろ」などと言われたことが理由とされている。また、杉下自身が真っ直ぐ勝負にこだわりがあったことも、理由として挙げられるだろう。
4年目の1952年には32勝をマークするなど、実働13年で215勝を記録した杉下。沢村賞を3回獲得した実績、そしてフォークを生み出した元祖として、今後も永遠に語り継がれる存在となるはずだ。