「糸井やT-岡田に頼っていてはダメ」大量12名の指名を行ったオリックスのドラフト戦略
オリックスは今年のドラフト会議で育成を含めると12人も指名した。フロントはどのような狙いをもって、それぞれの選手を指名したのだろうか。
2015/12/27
下位指名の注目選手は?
下位で注目選手は、10位の杉本裕太郎(外野手 JR西日本)と育成1位の塚田貴之(投手 白鴎大)の二人だ。
「杉本は化けたら凄いですよ。190センチという恵まれた体格で、長打力だけじゃなく守備もいいし足も速い。24歳だけど伸びしろがまだまだある。右の外野手として期待しています。塚田は左のサイドスローなんですが、楽天の松井裕樹選手みたいなキレのあるスライダーを投げられるので、他の球の精度を上げたらチャンスもある」(加藤編成部長)
竹原直隆が戦力外になり、右の外野手は川端、宮崎、武田、中村一生がいるものの、一発を打つタイプが不在だ。
会見で杉本は「はじめて見たプロ野球の試合がイチローさんが出られてたオリックスの試合だったので、こうしてオリックスの一員になれたことがとてもうれしい」と”オリックス愛”を強調。「大学時代に一緒にクリーンナップを打っていた吉田正尚とクリーンナップを打って、トリプルスリーを目指したい」と抱負を述べた。
会見後、杉本に話を聞いてみると「僕は外野手なんで目標とするのはソフトバンクの柳田さん。長打力を期待されているのでその姿勢は変えないでやっていきたい」と語ってくれた。代打については「ずっとスタメンでやって来ましたからまだイメージがわかないですね」と言っていたが、”一発のある右の代打枠”が空いているだけにここで結果を出せば、レギュラー定着へ向けて大きなアピールになるだろう。
「いつまでも糸井やT-岡田に頼っているチームじゃダメなんです」
加藤編成部長が今回のドラフトで期待している左の吉田正尚、右の杉本裕太郎は近い将来のオリックスを担う主砲になる可能性を秘めている。「末長く強いチームを作る」という球団のビジョンがハッキリと見えた今年のドラフトだった。