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故障さえなければ…歴代“ガラスの天才”6人。けがと戦い抜いた一流打者たち

2025/04/22

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産経新聞社



前田智徳

 「孤高の天才」と呼ばれ、通算2119安打を放った前田智徳。広島の中軸として24年間、苦しい時代もチームを支え続けた。
 
 熊本工から広島に入団した前田は、高卒1年目の1990年から56試合に出場。翌年は開幕戦に1番打者として出場すると、先頭打者アーチを放つなど強烈な印象を残した。同年は規定打席にも到達し、1992年は打率.308、19本塁打、18盗塁をマークした。
 

 
 1993年、94年は「3割20本」をクリアするなど瞬く間に主力となった前田だが、1995年に右足アキレス腱断裂という大怪我を負い、わずか25試合の出場に終わった。それでも懸命のリハビリを経て復活を果たし、1996年から4年連続打率3割、特に98年は熾烈な首位打者争いを繰り広げ、リーグ2位の打率.335を記録した。
 
 しかし、2000年に今度は左足のアキレス腱を手術した。翌2001年は27試合の出場に留まり、心配したカープファンも多かっただろう。それでもまたグラウンドに戻り、2004年からは再び持ち前の打棒を発揮。05年にはキャリアハイの32本塁打を放った。現役最終年は、4月に受けた死球の影響で12試合の出場に終わるなど最後まで怪我に悩まされたが、カープのレジェンドとして今後も語り継がれる選手である。

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