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【データで選出8月月間MVP】村上宗隆の歴史的な1ヶ月。総合指標WARは1ヶ月で3.1に到達

2022/09/06

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産経新聞社、DELTA



制球に苦しんだ藤浪が与四球部門で好成績


 
 投手のWARは投球の質と量両面でどれだけ貢献したかから求める。質は「奪三振」、「与四死球」、「被本塁打」、量は「投球回」によって決まり、そこから平均的な投手と比較しどれだけ多くの失点を防いだかを算出。それが何勝分に値するのか換算したものが投手のWARとなる。
 
 投手部門でパ・リーグは山本由伸(オリックス)、セ・リーグでは今永昇太(DeNA)がともに1.31のWARを記録した。
 

 
 セ・リーグでは2位の藤浪晋太郎(阪神)に着目したい。藤浪というとここ数年制球に苦しみ、与四球の多さが課題となっていた投手だ。しかし8月は平均が約10%になる与四球割合BB%(与四球/打者)で2.9%と好値を記録。山本や今永、田中将大(楽天)といった制球力に優れた投手と比べても、四球を出す割合が低かった。また与四球割合だけではなく、奪三振、ゴロ、被本塁打と多くの項目で今永を上回る成績を記録している。ただ1試合登板が少ないため「量」の部分で劣り、総合貢献では今永に軍配が上がった。
 
 パ・リーグでは山本が3ヶ月連続でリーグトップの貢献を記録。奪三振、与四球、ゴロ、被本塁打、どの分野をとっても隙がなく、攻略は極めて難しい。MVPを獲得しチームを優勝に導いた昨季から、投球の質をハイレベルで維持しつづけているようだ。
 

DELTA@Deltagraphshttp://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~5』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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