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ショートゴロまで横取り!? データが示す、長嶋茂雄のすごすぎる三塁守備

ON時代を築いた一人、長嶋茂雄読売巨人軍終身名誉監督は、打撃のみならず守備でもファンを魅了したことは野球ファンならご存知のことだろう。実際のデータからもその守備範囲の広さに驚かされる。

2015/12/28

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同年代の三塁手の中でずば抜けた守備範囲

 来年2月に80歳の誕生日を迎える長嶋茂雄は、NPB史上に残るクラッチヒッター(勝負強い打者)だったが、守備でもファンを魅了した。
 
 すばやいダッシュでボールに飛びつき、流れるようなフォームで一塁に送球する。その華麗な守備を多くの野球少年が真似したものだ。
 
 そのうえ、長嶋茂雄は守備範囲が抜群に広かった。
 
 1958年、巨人に入団した長嶋は三塁を一人で守り新人王を獲得した。この年と今年の主要な三塁手の守備成績を比べてみよう。RF(レンジファクター)は(刺殺数+補殺数)÷試合数 1試合当たりのアウトにした数。守備範囲の広さを示す(Baseball Referenceなどをもとに作成)。
 
1958年
・長嶋茂雄(巨人)129試合129刺殺385補殺25失策 守備率.954 RF3.95
・岡嶋博治(中日)130試合122刺殺364補殺32失策 守備率.938 RF3.24
・三宅秀史(阪神)130試合136刺殺309補殺15失策 守備率.967 RF3.42
 
2015年
・村田修一(巨人)97試合57刺殺174補殺13失策 守備率.947 RF2.38
・レアード(日本ハム)142試合86刺殺250補殺17失策 守備率.952 RF2.37
・松田宣浩(ソフトバンク)143試合76刺殺256補殺8失策 守備率.976 RF2.32
 
 現代の三塁手のRFが1958年の三塁手よりも1以上低いのは、主としてNPBの左打者数の違いによる。
 
 1958年当時は、左打者は全選手の10%程度、現在は25%程度。三塁手の守備機会は左打者が増え、右打者が減少したことによるものと考えられる。
 
 しかし長嶋茂雄は、同時代の三塁手たちの中でもずば抜けて守備範囲が広かった。当時、三塁守備の名手とうたわれた阪神の三宅秀史の数字を大きく上回っている。
 
 ところで昭和中期の巨人には、もう一人内野にスター選手がいた。遊撃手の広岡達朗だ。1954年、長嶋と同様東京六大学のスター選手として鳴り物入りで巨人に入団。1年目から正遊撃手として活躍し、新人王に輝いた。
 
 広岡の遊撃守備は当初、腰高だと指摘され、二年目には三塁にコンバートされるが、三年目の1956年に再び遊撃手に戻されてからは広い守備範囲と安定感のある送球でリーグを代表する遊撃手になった。

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