12球団守備の通信簿。守備成績から見えてくる各球団の長所と弱点【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は12球団の守備成績についてだ。
2015/12/29
広島の二遊間の守備はリーグ屈指
次にセリーグだ。
ヤクルトは、投手を除く全ポジションで併殺数が最多。これは石川雅規などゴロを打たせる投手が多く、内野の守備機会が多かったことを示す。
一塁守備では広島のRFがずば抜けて高い。これは広内野陣の守備範囲が広く、ゴロの処理数が多いからだ。
二塁手も広島がA/G、RFともに1位。菊池涼介の守備力の高さを物語っている。今季一人でヤクルトの二塁を守り通した山田哲人も優秀な数字を残した。
三塁手に関して巨人はゴロ処理数こそ多いものの、失策は最多だった。広島は梵を中心に、守備範囲も広く安定感があった。
遊撃手も広島の数字が高い。今季レギュラーを獲得した田中広輔の存在が大きい。失策数も多いが守備範囲は広い。菊池・田中の広島の二遊間は、セリーグ随一だ。
外野手で特徴的なのはDeNAだ。特に補殺数が多い。筒香嘉智は今季10補殺。これは両リーグ1位で、2位もチームメイトの梶谷の8だ。2人は外野からの返球でチームを救っていたのだ。
捕手は中日の14失策。谷繁元信から後継捕手へ世代交代の1年だったが、守備面では不安定だった。
一方、投手では中日の24併殺が目につく。特に若松駿太は23登板で6併殺。反射神経もよい選手なのだ。
守備成績から12球団の違った側面が見えてくる。