原巨人を解体、オフの補強の狙い。由伸政権1年目、ポジション争いを制するのは誰か
2015年、ジャイアンツにとって節目の1年となった。今季より高橋監督が就任、また昨年オフも適材適所の補強を行った。激しいポジション争いを制するのはどの選手か。
2016/01/01
坂本のバックアッパー役も
【三塁手】
・15年出場数 村田修一97、井端弘和39、吉川大幾26、岡本和真12、寺内崇幸12
打率.236、12本塁打と苦しんだ村田の打撃不振がオフのクルーズと脇谷の補強に繋がったと言っても過言ではない。
彼ら補強組に加え球団が期待を懸ける2年前のドラ1スラッガー岡本もいる。
男はつらいよ村田さん。本命クルーズも、ベテランの村田が意地を見せるのか?それとも若さの岡本が抜擢されるのか?
春季キャンプではチーム最激戦区のホットコーナー争いから目が離せない。
【遊撃手】
・15年出場数 坂本勇人130、井端弘和11、寺内崇幸8、吉川大幾2
このポジションだけはキャプテン坂本という絶対的なレギュラーが君臨している。
19歳で1軍レギュラーに定着した08年以降は、ほとんど1人で巨人のショートを守ってきた。
だからこそ攻守ともに背番号6への依存度が高すぎて、離脱した時はチーム力が一気に落ちてしまう。
(昨年4月末にふくらはぎの張りで07年9月以来約8年ぶりの登録抹消)
そこで注目されるのが新加入のクルーズの存在である。
攻撃力に加え高い守備力を誇る助っ人は、ロッテ時代に遊撃手も経験。
二塁、三塁だけでなく「ショート坂本のバックアッパー役」という巨人長年の悩みを解決できる選手として期待が懸かる。
【外野手】
・15年出場数 長野久義122、亀井善行106、立岡宗一郎75、橋本到51、鈴木尚広45、大田泰示44
原監督が最後までこだわり続けた長野や亀井を由伸監督はどう起用するのか?
仮にギャレットが外野起用となれば、彼らもレギュラー確約とはいかないだろう。
103安打を放ちブレイクした立岡、そしてそれを追う橋本・大田は3人とも90年生まれの同級生。
この錚々たるメンバーにドラフト2位の六大学現役最多盗塁ルーキー重信慎之介がどこまで食い込めるか注目したい。
こうして見ると、補強した新加入組はそれぞれ「複数ポジションを守れる選手」という共通点に気づく。
結果的にそれが熾烈なチーム内競争に繋がるわけだ。
つまりギャレット、クルーズ、脇谷は偉大なる原巨人をぶっ壊すための人材なのである。
2016年は巨人軍の破壊と再生の1年になるだろう。