怪童・中西太も盗塁数で達成できず。山田・柳田、前人未到「2度目のトリプル3」なるか
昨年2人のトリプル3達成者が誕生し、セパそれぞれのリーグを制する原動力となった。果たして2年連続達成なるか。過去トリプル3達成者の2年目以降の記録を紐解いてみる。
2016/01/02
中軸を担うと走る機会が減る。年齢による体力の衰えも
過去の記録を振り返っても、盗塁が最も難しい。トリプル3達成後、30盗塁を再度クリアしたのは、1990年の秋山幸二だけである。
特に30本塁打、3割を打つような強打者は基本的に3、4番に据えられることが多い。盗塁を狙うシチュエーションは減る。
年齢的な問題もある。やはり伸び盛りの若いうちでなければ、3つの要素をそろってクリアするのは難しい。
史上最年少のトリプル3は1953年、中西太の20歳。以後5年連続でトリプル3に迫った。30盗塁に届かなかったが、4年連続で二けた盗塁を記録している。
そういう意味では、史上2位の23歳の若さでトリプル3をマークした山田哲人に、より期待がかかる。
もう一つ大きな要素がある。
そもそも岩本、別当、中西の時代までは「トリプル3」という言葉は存在しなかった。3人の打者はこのことを全く知らなかった。
「トリプル3」が注目を集めるようになったのは1980年代以降からである。蓑田の時は野球雑誌などで取り上げられた。ただし、それは野球ファンだけが評価したマニアックな記録であり、一般社会が注目することはなかった。
しかし昨年は夏過ぎから「トリプル3」という言葉がテレビや一般紙などにも踊った。野球ファンのみならず日本中が柳田、山田の記録達成に注目した。その点は、過去6人の達成者と状況が全く違う。
今季も引き続き「史上初の2度目、2年連続のトリプル3」なるか、注目の的になるだろう。
怪我だけが不安要素だが、本人は達成へ意欲満々のはずだ。
チームにとっても彼らがそれだけの成績を収めれば、リーグ連覇の現実味を帯びてくる。