【MLB】異例の多額な出来高適用。前田、ドジャース合意も「いびつ」な契約内容の背景
元旦に米メディアが一斉にカープの前田健太とドジャースが合意したと一斉に報じた。
2016/01/04
Getty Images
ドジャースにとっては有利な状況だった
二つ目に、争奪戦の中で有力な対抗馬が現れなかったことが挙げられる。前田健が広島球団によりポスティングにかけられ、交渉解禁されたのは12月10日。このオフは例年以上に先発投手の市場の動きが早く、その時点で即戦力先発投手を必要とする球団の補強は大半が片付いていた。
加えて早い段階で、前田健サイドが住環境の良い西海岸の球団でのプレーを希望している、という情報も出回っていた。
ドジャースにしてみれば、大金を用意して前田健獲得を狙うようなライバル球団も見当たらない。加えて本拠地ロサンゼルスは、前田健の意中の土地にも思える。足元を見て交渉にあたる条件がそろっていた、と見るのが自然だろう。
もっとも、相場観と比較すれば格安にも映る平均年俸313万ドル(約3億8000万円)でも、広島での昨季年俸3億円よりは上だ。そして、結果次第で得られる金額は3倍以上に膨れあがる。
前田健は球団への志願が実り、3年越しの夢であるメジャー挑戦を勝ち取った。後は実力主義の社会で、結果が全て。過去に例を見ない「いびつ」な契約だが、アメリカンドリームを成し遂げる土壌はしっかりと備わっている。
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