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【データで選出9・10月月間MVP】逆転優勝、オリックス投打の主軸がリーグトップに。巻き返し狙う中日は若手選手が躍動

2022/10/11

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産経新聞社、DELTA



吉田正は打撃貢献のみでリーグトップの総合貢献に

 評価にはWAR(Wins Above Replacement)を使う。WARとは打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価し、控えレベルの選手が同じだけ出場した場合に比べどれだけチームの勝利を積み上げたかを推測した指標だ。図中の打撃、走塁、守備のグラフは、それぞれどの分野で優れた働きを見せたかを表すWARの構成要素となっている。
 

 
 まずは野手から見ていこう。パ・リーグでは吉田正尚(オリックス)、セ・リーグでは岡林勇希(中日)が、それぞれ1.65、1.76とトップのWARを記録した。
 
 各分野で優秀だった選手を見ていく。打撃では、吉田が素晴らしい打撃貢献を見せた。今季は新型コロナウイルス感染をはじめ離脱期間もあったが、9・10月は主軸として打線をけん引。チームを逆転優勝に導く活躍を見せた。.417の高打率に加え16四球を獲得し、出塁率は5割に到達。リーグ2位の7本塁打を放ち、出塁、長打の両面で優れた成績を収めた。この打撃貢献が大きく影響し、リーグトップのWAR1.65を記録した。
 
 セ・リーグではダヤン・ビシエド(中日)が12球団トップとなる36安打を放つ活躍。リーグトップとなる9.0点攻撃により得点を増加させた。
 

 

中日の若手選手が優れた守備貢献

 守備評価には同じイニングを守った平均的な同ポジション選手と比較してどれだけ失点を防いだかを表すUZR(Ultimate Zone Rating)を使用する。しかしUZRは同ポジションの選手との守備を比較する指標であるため、異なるポジションの選手を比較する際は、ポジション間の補正を行う必要がある。一般的に高い守備力、もしくは独自性のあるスキルを要するポジション(遊撃手や二塁手、捕手など)を守った選手はプラスに補正をかけ、その逆のポジション(一塁手や左翼手など)はマイナスの補正をかけるといった具合だ。この守備位置補正をUZRに加えたものが守備貢献となる。
 
 守備では、今季中盤からこのランキングの常連となった岡林が今回も優れた数値を残した。守備だけでなく、攻撃面も好調で、総合貢献WAR1.76は12球団トップの値である。
 
 ランキング外ながら、岡林を上回り12球団トップの守備貢献を見せたのは同じく中日の土田龍空だ。守備貢献は8.4点を記録。岡林は今季3年目、土田は今季2年目と若手ながらともに優れた守備力を発揮している。中日は今季最下位に沈んだが、来季に向けて楽しみな選手が台頭する月を送った。

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