2016年は投の白村、打の淺間――明日のファイターズを支える2人に注目【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#20】
あと1カ月すれば、早くも春季キャンプが始まる。今季、個人的に2人の選手に活躍を期待している。
2016/01/08
驚愕だった淺間の能力の高さ
淺間大基は高卒1年目から大活躍だった。いや、これは僕としては(いいほうへ)大誤算なのだった。僕はここ数年、高校野球の神奈川県予選を取材していて、淺間大基と高濱祐仁の「横浜高校コンビ」が揃って入団してきたことにしびれまくっていた。特に淺間のセンスには惚れ込んでいたのだ。高校時代、パッと見て、プロで成功しないわけがないと思った。だからルーキーイヤーはその成長ぶりを鎌ヶ谷でじっくり見ようと決めていた。
そうしたら1年目から上で大活躍だ。あんまり鎌ヶ谷で見る機会がなかった。陽岱鋼欠場の穴を高卒ルーキーが埋めてしまった。ちょっと僕は舌を巻いたのだ。栗山英樹監督の大胆な選手起用はハラハラさせられることも多いんだけど、一方でこんなドリームをカムトゥルーさせてしまう。
「体ができてない」「去年まで金属バット使ってた」「プロのスピード、プロの状況判断に不慣れである」はずの高卒ルーキーが、1軍の試合に出てサマになってしまう驚きだ。まぁ、チームの中心には大谷翔平という、そのパターンの最上級(何しろ打者として高卒1年目の開幕戦で西武・岸孝之に対応して見せた!)がいるのだが、淺間もぜんぜん負けてないと思う。すげぇと思ったのは陽が戦列復帰し、いったん2軍に下げられたときのことだ。「1軍のレベルを常に意識して、下に慣れたくない」とコメントした。2軍で成長する姿を見ようなんて見当違いもいいところだったわけだ。
河川敷の多摩川グランド時代から2軍を見て、数々のルーキーを見てきたが、淺間クラスはそうはいない。「飛び級」感覚なのだ。体を作って、スイングを固めて、守備の基本動作をマスターして、というダンドリをいきなり突破してしまう幹部候補生だ。並の選手が努力しても到底及ばない領域を持っている。
楽しみなのは「桐光学園」の松井裕樹との対決だなぁ。松井の存在は淺間や高濱にとって、常に目標だろう。神奈川予選のスターたち、例えば「横浜隼人」の宋佑磨(オリックス)にも出てきてもらいたい。同期や近い学年の選手は意識し合うことでお互いをひっぱり上げる働きをする。
「マスゴミ」扱いでなく情報の吟味を――SMAP解散騒動から考える、野球報道の楽しみ方【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#21】