【ドラ1の知られざる苦悩】元巨人・辻内崇伸(3)「ジャイアンツに行きたいというよりも…」
2022/10/13
産経新聞社
12球団どこでも指名OK
2005年のドラフト会議では「自由獲得枠」「高校生ドラフト」「大学・社会人ドラフト」の3つの指名方法があった。高校生ドラフトは、大学・社会人ドラフトに先駆けて10月3日に行われた。
高校生ドラフト前の新聞記事では、まっさきに辻内が取り上げられている。
〈今回のドラフトで、高校生投手で最も注目を集めるのが、辻内(大阪桐蔭)だ。今夏の全国選手権では152キロを出し、第6回アジアAAA選手権(韓国)では決勝で155キロをマーク。日本球界屈指の快足左腕に成長し、複数球団の指名が有力視される。
「この夏は試合を重ねるごとにマウンド度胸がついて、楽しんで投げられるようになった」と言う。一方、「まだまだ発展途上。もっと下半身をたくましくして、粘りのある投球ができるようにならないと」と課題も見つめる。好きな言葉は「全力投球」。プロでもその志を貫く覚悟だ〉(『朝日新聞』10月1日付)
辻内は12球団どこから指名されても行きますと明言していた。
「プロになれるならば、どこでも良かったです。だって、指名して頂けるならばありがたいじゃないですか?」
辻内は当時を思い出して、にっこりと笑った。
もっとも意中の球団はあった。
「関西から出たかったですね。奈良から大阪とずっと関西にいたんで。東京とか違う世界を見てみたかった。ジャイアンツやヤクルトだったら東京じゃないですか? そっちやったらええなと」