10.2 オリックスファンが再び泣いた夜――来季こそ歓喜の涙を!
10月2日、下北沢に50人ものオリックスファンがその試合を共にした。一時は優勝マジックまで逆点灯したレギュラーシーズン、オリックスは最後までソフトバンクと熾烈な優勝争いを演じた。しかし、3年前同様にあと一歩のところでソフトバンクにはかなわなかった。オリックスファンの2014年をここに記したい。
2014/11/02
3年前と同じく、ソフトバンクの牙城崩せず
「10.2オリックス終戦」
私は55人もの在京オリックスファンと一緒にこの瞬間を下北沢で見ていた。伊藤光が泣き崩れる姿が画面に映し出されると、何人ものファンが泣いている。胴上げを見ずに席を立つファンもいた。
こんな場面を私たちは3年前にも経験している。
あの時も相手はソフトバンクだった。勝つか引き分けでクライマックスシリーズ進出が掛かった最終戦で勝てず、2011年は4位で終了。
あの日もたくさんのオリックスファンが泣いた。あの日の雪辱はまだ晴らされていないのだ。
オープン戦の成績が一転、首位争いを演じた
今年の3月に行った在京オリックスファンイベントにて順位予想を行った際、70人のファンの中で首位予想をした人は一人もいなかった。そうなるのも仕方がない。
オープン戦のオリックスは悲惨そのもので、パリーグ相手には一つも勝てず、西は絶不調、糸井は怪我で、保険として獲得したペーニャも出遅れていた。
「今年ほど明るい未来が見えない年はない」
そんな声がイベントの討論会でも漏れていた。
昨年の中軸だった李大浩とバルディリスが退団したのも大きな不安材料だったと言えるだろう。
李大浩に代わる大砲をペーニャとは〝別に〟獲得するという報道もあった。
実際、1月にベタンコートを入団したが、快音は聞かれぬまま開幕に突入してしまう。
野球というのは面白いもので、開幕の札幌こそ負け越したものの、その後7連勝するとスタートダッシュに成功する。
これを牽引したのがオープン戦絶不調だった西と保険で獲ったペーニャだったのだから堪らない。
西は開幕から8連勝しペーニャは本塁打の単独トップを走った。
比嘉、馬原、佐藤、平野といった最強リリーバーの活躍もあり、交流戦もオールスターもパリーグの首位として迎える。その後はソフトバンクとのマッチレースになり、西が後半失速したが金子や松葉が盛り返し、ペーニャやヘルマンがチームを鼓舞し続けたことが、夢のような首位争い(開幕前を想像すれば)に影響を与えたのは間違いない。