【ドラ1の知られざる苦悩】元巨人・辻内崇伸(4)肩に痛みも「お金を貰っている以上、野球を」
2022/10/13
産経新聞社
肩の異変と、2年目春季キャンプで1軍に抜てき
メディアからの注目に加えて、辻内はプロの練習の厳しさに面食らっていた。
「プロでもこれほど練習するんだというぐらい。キャンプは厳しかったですし、その後もそうでした」
そんな中、肩の痛みが出ていた。
「野球やっている人はみんなそうだと思うんですけれど、古傷はいっぱいあります。中学生のとき、肘の痛みで半年投げられなかった。でも、手術はしていない。自然治癒です。肩も高校のときに無理して投げて、痛いと感じることもありました。でも1カ月休むと治った。ちょくちょく痛めるけど、軽度で終わっていた」
しかし、プロではそうはいかなかった。
「プロに入ったら毎日投げる。痛くて投げないと怪我人にされてしまう。お金を貰っている以上、野球をしなきゃいけない」
2006年シーズン、辻内は2軍戦であるイースタンリーグで13試合に登板、3勝4敗、防御率6.04という成績だった。2軍の選手を対象としたフレッシュオールスターに選出されたが、肩の痛みを理由に辞退している。
そして2007年シーズン、2年目の辻内は1軍のキャンプに参加することになった。
〈2年目を迎えた左腕が、初めて自己主張した。巨人・辻内崇伸投手(19)が2日、2日連続でブルペン入りし、開幕ローテ奪取を誓った。この日は原監督が見守る中、38球の投球練習。「最後まで生き残った人が1軍のローテに入るので、そこまでけがなく頑張っていきたい」と宣言。期待を込めて、1軍キャンプに抜てきした指揮官を喜ばせた〉(『スポーツ報知』2月3日付)
この投げ込みが辻内の選手生命を左右することになった――。
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