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【ドラ1の知られざる苦悩】巨人・元木大介(1)野球人生を決めた、父との約束

2022/10/14

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産経新聞社



「本当になれるとは思っていなかった」

 ――嫌なことは沢山あると思うけど、一度始めたら辞めるなよ。
 
 元木大介の人生を決めたのは、小学2年生でボーイズリーグの「ジュニアホークス」に入る際、父親の稔と交わした約束だった。
 
 元木は1971年12月30日に大阪府豊中市で生まれた。
 
「ぼくらの時代は空き地があったら野球。友だちと遊ぶときも野球。親父も好きで(6歳年上の)兄貴もやっていたので、自然に始めたという感じ」
 
 入団したジュニアホークスは名前通り、南海ホークスと関係があった。小学生チームはホークスの運動場、中学生になると第二グラウンドを使用していたという。
 
 試合に出始めたのは小学4年生の頃からだった。肩の強かった元木は投手として起用され、常に上級生のチームに入るようになった。
 

 
「気がついたらボールを持って投げてた。ボールを投げるのが好きだったみたい。幼稚園のときのソフトボール投げの記録は未だに破られていないという噂は聞いたことがある。肩の強さは持って生まれたものかな」
 
 同時に『南海ホークス友の会』にも入っており、しばしば大阪球場の試合を見に行ってている。友の会の会員は入場料免除だったのだ。当時のパシフィック・リーグは人気がなく、観客席はいつもがらがらだった。印象に残っているのは、試合前の打撃練習だった。門田博光たちが黒いマスコットバットで打つとボールは次々と柵越えしていった。元木はその姿を仰ぎ見ていた。
 
「プロっていうのは、本当に凄い人たちだと思っていましたよ。将来の夢としてプロ野球選手と書いていましたけど、本当になれるとは思っていなかった」

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