【ドラ1の知られざる苦悩】巨人・元木大介(1)野球人生を決めた、父との約束
2022/10/14
産経新聞社
やっぱりピッチャーをやりたかった
中学生になると投手から遊撃手にコンバートされた。
「やっぱりピッチャーやりたかったですよ。ピッチャーが投げないと野球は始まらないし、花形じゃないですか。でもショートは嫌じゃなかった。ショートって野手の中心。だいたいピッチャーかショートをやっているのは上手いというイメージもあったし。じっとしているのが嫌で、周りを見ながら、いろんな動きがあるというのが合っていたんじゃないかな」
土日はもちろん、休み期間中も全て野球漬けだった。野球を辞めたいと思ったことは何度もあった。その度に父親との約束が頭に浮かんだ。
「日曜日は親父の車で練習場まで送ってくれるんです。その点では楽だったんですが、練習態度が悪いって、帰りの車の中でよく怒られてました。ホームランを打ったとか三振とか結果については一切言わない。ただ三振した後、その後の守りについたときの態度に対しては厳しかった」
信号が赤になると車が停まり、助手席にいる自分は怒られる。元木はずっと青のままで走り続けろと願っていた。
こうした練習の甲斐もあり、元木は強打の遊撃手として頭角を現すようになった。
そして、中学を卒業すると大阪府の上宮に進んだ。