【ドラ1の知られざる苦悩】巨人・元木大介(2)逆指名批判、ホークス入団拒否の理由
2022/10/14
産経新聞社
「俺、ジャイアンツでやりたいです」発言の真意
元木の心が固まったのは、この読売ジャイアンツのスカウトと会ってからのことだった。
「監督から“どうする”って聞かれて、“俺、ジャイアンツでやりたいです”って。そうしたら“そうか、分かった”と。それで記者会見でジャイアンツに入りたいですって言ったら、逆指名、いいのかって書かれて。怖っ、て思ったね。好きな球団、入りたい球団って聞かれたから、ジャイアンツですって答えただけ。そうしたら巨人逆指名、みたいな」
元木の進路に対する報道が過熱したため、10月2日に記者会見を開いたのだ。
〈「ぼく自身は巨人一本に決めてます」
――それはずっと前からそう考えていたんですか?
「はい、小さい頃から巨人に入って野球をしたいと思っていました」
――巨人以外の11球団についてはどんな風にお考えですか?
「もし指名された場合は、自分なりに行かないことを決めてます」〉
元木は言葉を選んで慎重に受け答えしている。自分の意思は明らかにするが、他球団を刺激したくない。そんな会見だった。しかし、残念ながら元木の配慮は通じなかった。ジャイアンツ逆指名と書かれ、密約があるのではないかと、疑われることになった。