【ドラ1の知られざる苦悩】巨人・元木大介(3)一軍に生き残るための「スタイル変換」
2022/10/14
産経新聞社
人生を巻き戻しできるなら「高校3年のとき」
2005年に引退するまで15年間通算、891安打、本塁打66本。打撃タイトルは一つも獲得していない。元木の才能を考えれば物足りない成績だ。しかし、本人は後悔はしていないという。
人生を巻き戻しすることができればどこに戻りますか、と訊ねてみた。
「高校3年のときだね」
元木は即答した。
「あと1本ぐらいホームラン打てるんじゃねぇかなと。2位タイって言われるのがね、ちょっと引っかかる。もう1本ぐらい、自分のこと考えてやっていたら打てたんじゃねぇかと思うから。チームのことを考えずに7本目を打っちゃおうって」
元木の甲子園通算本塁打は6本。これは桑田真澄、中村奨成と並ぶ歴代2位。もう1本打って単独2位にしておけば良かったというのだ。
「ホークスからの1位指名については、もう一度拒否しますか」
ぼくが問うと「同じことをすると思う」と短く答えた。
「ただ、親は勘弁してくれって言うかもしれないね。大変なことになるから行けって言うかもわかんない」
そう言って笑った。
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CASE1 辻内崇伸(05年高校生ドラフト1巡目 読売ジャイアンツ)
CASE2 多田野数人(07年大学生・社会人ドラフト1巡目 北海道日本ハムファイターズ)
CASE3 的場寛一(99年ドラフト1位 阪神タイガース)
CASE4 古木克明 (98年ドラフト1位 横浜ベイスターズ)
CASE5 大越基(92年ドラフト1位 福岡ダイエーホークス)
CASE6 元木大介(90年ドラフト1位 読売ジャイアンツ)
CASE7 前田幸長(88年ドラフト1位 ロッテオリオンズ)
CASE8 荒木大輔 (82年ドラフト1位 ヤクルトスワローズ)