【MLB】前田、爆弾を抱えていた右肘――ドジャース、出来高偏重の契約は日本球界への警鐘
ドジャースと前田健太の8年契約が現地7日、本拠地ドジャースタジアムで正式発表され、会見の場で、前田自身が身体検査で「イレギュラーな点があった」と明かした。
2016/01/09
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日本人投手に突き付けられた課題
今春復活を目指すダルビッシュ(レンジャーズ)だけでなく、それ以前には松坂(現ソフトバンク)、和田(現ソフトバンク)、藤川(現阪神)もメスを入れた。田中(ヤンキース)も右肘じん帯の部分損傷が発覚し、次に痛みを訴えれば手術は免れない状態だ。
日本球界は、メジャーに比べれば負担の少ない中6日のローテーションが基本。ただその一方で、メジャーを志すようなエース級の投手は、常に完投・完封を期待されるなど負担が大きい。
昨季の前田健も6月9日西武戦での135球を最多に、球数が120球を超えることが8試合もあった。
田中でいえば、楽天最終年13年は、日本シリーズで第2、6戦に先発。特に第6戦では160球を投げ敗戦投手となりながら、翌日の第7戦では抑えで連投し日本一に貢献した。松坂、ダルビッシュらも、高校時代から甲子園などで酷使されていたのは共通項だ。
消耗品と言われる投手の肘。その肘をどう守っていくのか、どう強化していくのが正しいのか。ドジャーブルーのユニホームに袖を通し、笑顔の前田健の後ろには、球界が迫られている大きな課題が透けて見えた。