【ドラ1の知られざる苦悩】元ヤクルト荒木大輔(2)大輔フィーバーも…「早大に進学するつもりだった」
2022/10/14
産経新聞社
「僕は早稲田大学に進学するつもりだった」
甲子園の後、全日本選抜チームによる日韓戦が終わると、荒木は一端、野球から距離を置いた。
「卒業試験と(早稲田大学への)推薦試験の両方があるんですよ。ぼくは教育学部の(教育学科)体育学専修に進むつもりでしたから」
11月12日に推薦試験が終了するまで、荒木は家に籠もって勉強に集中した。その後、試験勉強から解放されると、同級生の家に泊まり歩くようになった。
「トレーニング? まったくしていないです。緊張が途切れていましたね」
この間、プロ野球球団のスカウトはドラフト会議に向けて、野球部と両親に接触していた。
「全部ではなかったみたいですけど、ほぼ全球団来ていたみたいです。でも学校側からはそういう話は伝えられない。親のところにも来ていたかもしれない。でも親もぼくには言わなかった」
そして荒木はドラフト会議の嵐のど真ん中に放り込まれることになる――。
(3)につづく
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CASE2 多田野数人(07年大学生・社会人ドラフト1巡目 北海道日本ハムファイターズ)
CASE3 的場寛一(99年ドラフト1位 阪神タイガース)
CASE4 古木克明 (98年ドラフト1位 横浜ベイスターズ)
CASE5 大越基(92年ドラフト1位 福岡ダイエーホークス)
CASE6 元木大介(90年ドラフト1位 読売ジャイアンツ)
CASE7 前田幸長(88年ドラフト1位 ロッテオリオンズ)
CASE8 荒木大輔 (82年ドラフト1位 ヤクルトスワローズ)