【ドラ1の知られざる苦悩】元ロッテ・前田幸長(1)最大の武器は遊びから生まれた
2022/10/15
産経新聞社
「ぼく、人生で4番だけは打ったことがないんですよ」
試合に投げ始めたのは小学4年生の終わりからだったという。運動神経には自信はあったが、小柄だったせいもあり、4番打者ではなかった。
「ぼく、人生で4番だけは打ったことがないんですよ。小学生のときは、エースで2番でした。器用で、小技が効くと思われていたのかもしれませんね」
中学校の野球部でも、エースではあったが、一帯に名前を知られるほどの活躍はない。前田によると、中学3年生のとき、「県大会の一歩手前まで行った」のが最高の成績だったという。
当初、進学先として考えたのは、福岡大学附属大濠高校だった。
「夏の大会が終わったあと、親父と進路をどうしようかという話になって、ぼくは福大大濠に行きたいと言ったんです。ただ、福大大濠って勉強ができる学校でした。ぼくは将来プロ野球選手になると決めていたので、勉強していなかった。それで塾にも行ったんですけれど、いまさらって感じですよね。少しは成績があがったんですけれど、福大大濠(の合格ライン)には届かない」