【ドラ1の知られざる苦悩】元ロッテ・前田幸長(2)対外試合禁止も…運も味方した最後の夏
2022/10/15
産経新聞社
後の名捕手も舌を巻くカーブ
準々決勝では島根県代表の江の川に9対3で勝利している。
江の川で4番に座っていたのは大会屈指の好打者、谷繁元信だった。前田と同じ年の谷繁はこの年のドラフトで横浜大洋ホエールズから1位指名を受けることになる。
第1打席で前田は谷繁に2塁打を打たれている。
「彼の名前は知っていました。スイングのスピード(の速さ)は感じましたね。それでツーベースをカーンって打たれた。おっ、やるわと思ったので、2打席目、3打席目はカーブをビュっと投げて三振です」
試合後、谷繁は「前田君のカーブは鋭くて手が出なかった」と記者に語っている。
前田によると、自分の投球が本来の姿に戻ったのは、この次の準決勝、沖縄水産戦からだという。
(3)につづく
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CASE2 多田野数人(07年大学生・社会人ドラフト1巡目 北海道日本ハムファイターズ)
CASE3 的場寛一(99年ドラフト1位 阪神タイガース)
CASE4 古木克明 (98年ドラフト1位 横浜ベイスターズ)
CASE5 大越基(92年ドラフト1位 福岡ダイエーホークス)
CASE6 元木大介(90年ドラフト1位 読売ジャイアンツ)
CASE7 前田幸長(88年ドラフト1位 ロッテオリオンズ)
CASE8 荒木大輔 (82年ドラフト1位 ヤクルトスワローズ)