【ドラ1の知られざる苦悩】元ロッテ・前田幸長(4)笑顔なき記者会見「なんでロッテなんだ」
2022/10/15
産経新聞社
プリンスホテル行きを断り、ロッテ入団を決断
ドラフト会議の後、自宅に戻った前田は怒りを爆発させた。
「ぼくはそれまで親父に逆らったことがなかった。でもその日は、どうなっているんだって、バッチバチでした。親父が西武1位だって言ったから、プロには入らないって言い続けてきたんじゃないかって。親父は何も言えなかった」
西武からはプリンスホテルに入らないかという提案もあったが、前田は断った。
「いや、もういい。しょうがないからロッテに入る。他、行けないんだから。ロッテに行こうと。それで速攻、話を進めて3日で仮契約ですよ」
仮契約の意味も分からなかったんです、と前田は声を出して笑った。
11月26日、前田はロッテ入団を発表した。この年のドラフト指名選手の契約第1号だった。背番号は11と決まった。
(5)につづく
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CASE1 辻内崇伸(05年高校生ドラフト1巡目 読売ジャイアンツ)
CASE2 多田野数人(07年大学生・社会人ドラフト1巡目 北海道日本ハムファイターズ)
CASE3 的場寛一(99年ドラフト1位 阪神タイガース)
CASE4 古木克明 (98年ドラフト1位 横浜ベイスターズ)
CASE5 大越基(92年ドラフト1位 福岡ダイエーホークス)
CASE6 元木大介(90年ドラフト1位 読売ジャイアンツ)
CASE7 前田幸長(88年ドラフト1位 ロッテオリオンズ)
CASE8 荒木大輔 (82年ドラフト1位 ヤクルトスワローズ)