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【ドラ1の知られざる苦悩】元横浜・古木克明(2)ベイスターズは希望球団にあらず「来るな、来るな…」

2022/10/16

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産経新聞社



ベイスターズの選手の大半を知らなかった

 その日の夕方五時半、横浜の監督である権藤博が豊田大谷を訪れている。
 
「その日のうちに速攻来てくださった。どこにあるのかと思った、遠かったよと。バッターでは鈴木尚典、守備では石井琢郎を目指してうちに来てくれと言われて。でもぼく、鈴木尚典、石井琢郎って言われても、知らなかった。誰って感じでした」
 
 この年、ベイスターズは38年ぶりにセントラル・リーグ優勝、その勢いで日本一となっていた。その中で鈴木尚典は2年連続の首位打者、石井は最多安打と盗塁王になっている。
 
「ぼく、優勝したの観ていなかったんですよ。横浜で知っていたのは、佐々木(主浩)さん、ローズ、駒田(徳広)さん。あとは昔にテレビで観ていた斎藤明夫さんぐらい」
 

 
 ベイスターズは意中の球団ではなかったが、プロ野球選手になれることは嬉しかったという。
 
「ダイエーに行きたいと言っていましたけど、ぶっちゃけ、どこでも良かった。プロは憧れ、夢でしたから。横浜に指名して欲しくなと思いながらも、指名されたときはとりあえず良かったと。ただ、1位指名については何とも思っていなかった」
 
 ベイスターズは古木に背番号3を提示している。それはマシンガン打線を引き継ぐ、若手スラッガーとしての期待の表れだった。
 
(3)につづく

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【収録選手】
CASE1 辻内崇伸(05年高校生ドラフト1巡目 読売ジャイアンツ)
CASE2 多田野数人(07年大学生・社会人ドラフト1巡目 北海道日本ハムファイターズ)
CASE3 的場寛一(99年ドラフト1位 阪神タイガース)
CASE4 古木克明 (98年ドラフト1位 横浜ベイスターズ)
CASE5 大越基(92年ドラフト1位 福岡ダイエーホークス)
CASE6 元木大介(90年ドラフト1位 読売ジャイアンツ)
CASE7 前田幸長(88年ドラフト1位 ロッテオリオンズ)
CASE8 荒木大輔 (82年ドラフト1位 ヤクルトスワローズ)

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