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【ドラ1の知られざる苦悩】元阪神・的場寛一(3)戦力外通告のきっかけとなったケガの真相

2022/10/16

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産経新聞社



感嘆した野村克也の観察眼

 99年ドラフト会議で、逆指名1位で阪神タイガースに入った的場寛一は、プロ入りして怪我に悩まされた。
 
 2000年と2001年に2度、左膝を手術。こうしたゆったりとした時間があったことで、入団前後のスポーツ新聞の記事による〝誤解〟を解くことが出来た。
 
「キャンプ中から、こいつ、思っていたんとちがうなと少しづつ相手をしてもらえるようになった。1年目のオフ、坪井(智哉)さんも一緒に手術していたので、色々とお話させてもらったり、めっちゃお世話になりました。」
 
 的場はプロ野球の世界は「ぎらぎらしたチーターやライオンとかがいるジャングルの中で生活するようなもんです」と表現する。
 

 
 監督を務めていた野村克也の観察眼に感嘆したことがある。
 
「1年目か2年目、甲子園での広島戦のベンチに入っていたんです。ノーアウト一塁、バッター木村拓也。木村拓也さんのサインを見る仕草を見て、野村監督は〝いつもの見方と違うぞ、1回(ボールを)外せ〟って指示出したんです。そうしたらやはりエンドランで、セカンドランナーを刺したんです。木村さんはバッターボックスに入った後、不安になってもう一度サードコーチを見た。それを野村監督は見逃さなかった。鳥肌が立ちましたね」

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